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プロ目線解説!住宅の基礎の作り方その1 遣り方編

見たことあるのに詳しく知られていない。

家が建ったら目立たない。

しかも「土台」とよく言われるそのコンクリートは「基礎」です。

建物の土台がのる「基礎」なんです!そのコンクリートが平らじゃないとその上に建つ家は曲がってたってしまうんです。

 

何も無い所に図面をもとに建物の位置を決め、厳しい配筋検査をクリアし、気温によって性質が変化するコンクリートを相手に、暑い夏も寒い冬も土台をのせる事を目標にしっかりと施工する、

縁の下の力持ち、基礎屋さん。

毎日毎日住宅の基礎を作っているわたくし親方山さんが、その工法を徹底解説!

 

まずはその工程、手順を並べてみよう。

 

  1. 水盛り、遣り方
  2. 根切り(根伐)
  3. 砕石敷き詰め、転圧
  4. 防湿シート敷き
  5. 捨てコンクリート打設
  6. 外周枠組み
  7. 配筋
  8. 耐圧盤打設(ベースコンクリート打設)
  9. 立ち上がり枠組み
  10. 立ち上がりコンクリート打設
  11. コンクリート養生
  12. 枠ばらし、天端誤差測定
  13. 玄関、土間コン打設
  14. 整地
  15. 建て方

 

水盛り、遣り方

みずもりやりかたと読む。

水を盛る?という声が聞こえてきそうだが、江戸時代に発明された「水盛り台」からその名が来ているとされている。

こちらがその水盛り台。

真ん中の竹筒に水を入れて二つの竹筒の水面の高さが同じになるように台の下にくさびを打って調整した。

こうすることで高低差のある土地でも水平を測る事が出来た。水平の字の通り静かな水面を利用したのだ。これを水盛りと呼んだそうだ。

そして3点の高さを目でにらみ測量したとされている。

今ではレーザーレベルとオートレベルが普及したため水盛り台を使って高さを測定する人はいないだろう。

しかし、ペットボトルと長いホースを使用した「水盛り器」という道具が存在する。

素材はプラスチックとゴムになったが原理は昔の台と変わらない。機械系レベルに比べ安価で壊れることも少ない。

☆画1

とは言うものの水平の測定はオートレベルやレーザーレベルが現代の主流である。

 

遣り方とは

建物の正確な位置と高さを示す糸を張るための仮設の囲いである。

主に木杭と貫板を使用する。

仮設とはいえ設計図と言っても過言ではない物なので遣り方を間違えるとこの後の工程は全て図面と違うものになってしまうという、とても重要な物なのだ。

あるベテラン職人は「遣り方がきちんとかかっていればお金が入ってきたようなものだ。」という。

工事の全てが最初に決まってしまうということの例えなのだろう。

↓☆写真2

境界線を結ぶ

まずは境界杭と境界杭を糸で結び境界線が見えるようにする。

やり方はいろいろあるが地面にある境界プレートは糸を張りやすくするために遣り方を作って持ち上げよう。

水平器や下げ振りを使って垂直に印をしよう。

敷地の四面を確認しよう。この時点で図面と違う点があれば無理して作業をせず、解決してから次に進むことをお勧めする。

それだけ遣り方とは重要な工程なのだ。

 

配置、地縄

次に図面をもとに境界線からの離れ寸法を出し地縄を張る。

地縄を張ることで基礎の形が見えてきた。おおよその配置はこれでok!  一辺一辺の芯の線を通り芯と呼ぶ。

杭打ち

地縄の外側に各辺が地縄と平行になるように四隅に杭を打つ。その杭の外面に糸を張って囲む。

 

貫板を並べて糸で通りを確認しながら杭を打っていく。

 

基礎の高さを図面から読み取る

まずは高さの追い出しの基準となる「ベンチマーク」「BM」を配置図から探そう。

無ければその基準点を決める事ができる人に聞いて定めよう。

BMが決まったら設計GL(グランドレベル)までの寸法を確認。

BM̟̟+100ならば、ベンチマークから100㎜上がったところが設計GL

となる。

 

次に基礎の断面図(矩計図かなばかりず)を見て設計GLからいくつ上りが基礎の天端なのかを確認。

400であれば400㎜上がったところが基礎の天端である。

基礎の天端と同じ高さに糸を張ると枠に当たってしまうので、そこから150~200㎜は上げよう。(今回は200㎜とする)

 

そうするとBM+700㎜が抜き板を張る高さ=糸を張る高さということになる。

 

杭に印を出す

ベンチマークから貫板天端までの高さが分かったらレーザーレベルをやり方の真ん中に据えてベンチマークの高さを取ろう。

ベンチマークに棒を立てて受光器をセット。

レベルから出ているレーザーは水平に回っている。

それを受光器で受けるのだが高ければ早い断続電子音、低ければゆっくりな断続電子音。

5㎝以上離れていると受光できないので音は鳴らない。

丁度水平だとピーッと鳴るのでそこで棒に固定する。

例:700㎜丁度

 

 

ベンチマークの印から下に700㎜下げたところがベンチマークから700㎜上がったところということになる。

☆画11バカ棒

 

その棒の下端を杭に印していく。

貫板の固定

杭に印をしたら貫の上端を印に合わせてビスや釘で留める。

遣り方の角部は筋違補強。

 

遣り方天端に墨を出す

遣り方に墨を出していく。(印をすることを墨付け、墨出しという。)

遣り方の平行面を境界線上まで伸ばす。

そうすることでやり方天端に境界線を印せる。

水平器や下げ振りでしっかり垂直に上げよう。

☆13やり方平行垂直上げ写真

 

墨には釘を打ち、スケールが引っかけられるようにする。

平行面からの全長は何処から測っても同じ。

やり方上で境界線から1100㎜が躯体の始まりでそこから8,190㎜伸ばしたところが躯体の全長。

これを二か所、北面と南面のやり方天端に墨をつける。

この時に丁度真ん中らへんの定尺、この場合は4,550㎜か4,095㎜にも墨をつけて釘を打っておく。

 

矩振り

「マキガネ」という道具を使って矩を振る。↓

詳しいことはこちらに書いてある通り。

↑の③の位置を北側境界線から1,400㎜のところまで矩糸から平行移動。

③の位置も決まってしまえばそこから全長7,280㎜を出せば長方形の出来上がり。

ここが大事。確認作業。

まずは対角がお互い合っているか確認。

各辺の長さが合っているのに対角寸法がズレていれば、ひし形になっているということ。

対角に確認は重要だ!

 

次は先ほど地頭を出すのに測った西側平行面と北西地頭点以外の躯体からの離れ寸法を確認する。

 

これが何処か一つでも50㎜以上違ってきてしまうと何処かが間違っている可能性が高い。

例えば地頭の西側平行面の反対側の東側の寸法aが狭くなっていた場合、西側平行1,100㎜a”がそれ以上の寸法になっているはずだ。

対角が合っているということは南西のポイントb”も同じだけ広くなり、bも狭くなっているということだ。

最後に高さの確認を忘れてはいけない。

もう一度図面を見て

ベンチマークから設計GLの寸法。

GLから基礎天端までの寸法。

基礎天端から貫板天端までの寸法を確認。

 

ここで紹介してきた例ではベンチマークより上がったところがGLだったがベンチマークの方がGLより高い場合もある。

(BMー○○㎜=GLといった具合)ここをよく確認しないで作業を進めるとやり直しが大変になってしまうから要注意

 

 

 

 

 

 

 

 

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