プロ目線解説!住宅の基礎の作り方。ベースコンクリート打設。

住宅基礎のベース(耐圧盤)とは住宅の重みを支える為のコンクリートの盤です。

指定された品質の生コンをポンプなどで流し込み、図面通りの厚さを確保しましょう。なるべく平らになるように均しましょう。

仕上げに固まりかけを見計らって金鏝でもう一度平らに均す「おさえ」を行いましょう。

生コン出荷連絡

まずは出荷連絡です。生コンプラントに電話して出荷のGOサインを出しましょう。この時に数量や配合も確認しましょう。

出荷の連絡はトラブル防止のためにもとても大事です。忘れられていたりすることもあるので必ず電話しましょう。

ベースの高さについて

ベースの高さを鉄筋に印したり、トンボに受光器をつけて均しながら高さを取ったりと、いろいろな方法があるとは思いますが、トンボに受光器をつける工法が一番良いと思います。

均しながら高さを合わせる方が、前もって印を出しておくよりも仕事としては難しいです。

しかし、鉄筋に印を付ける工法では、スラブ筋の上を歩く人の重みで印が一時的に下がってしまう場所があるため正確ではありません。しかも「印を付ける」という工程が一つできるので時間もかかりますね。

高さを先に出すのであれば印直下にスペーサーブロックをかませば沈みに強くなりますが、印の付けられる鉄筋が無い広い間では差し筋をするか、目見当で均すか、トンボに受光器を付けるか、という選択肢になります。

差し筋は防湿シートを破いてしまうのでダメですね。

となるとやっぱりトンボに受光器を付ける工法が一番良いのではないでしょうか?

レベルセット

レベルは敷地の奥側、ポンプの邪魔にならない所にセット。

ポンプのホースがぶつかるかもしれない場所は避けましょう。レベルの機械は精密機器です。しかも一台10万円以上するので気を付けて扱いましょう。

やり方の天端(糸)からいくつ下がったところがベースの天端なのか図面から読み取っておきます。500mmだとします。

トンボをやり方の天端に置き、受光器をセット。ピーっと音のなる所で印を付けます。その印から500mm上に印をしてそこに受光器をセット。トンボの下端が糸から500mm下がったところ=ベース天端になります。

先行材の処理

レベルセットokポンプセットok生コン車到着!打設開始です。

先行材と呼ばれるポンプのホースに生コンが詰まらないようにするセメントはミキサー車に戻さないようにしましょう。

ミキサーには規定の配合の生コンが入っています。先行材を戻すことで水とセメントの量が増えて水っぽくなってしまいます。厳密に言うと配合が変わってしまうのです。

お客さんが気にしなければ生コンですが気にする方から見れば産廃同然です。

先行材のみを土のう袋にあけて産廃にしたという証拠写真を提出するハウスメーカーもあります。

そこで山さんは先行材でスペーサーブロックを作ります。

写真

ベース打設

ベースは奥から手前の順に打ちましょう。時々糸からベース天までの寸法を確認しましょう。受光器がずれてきたり、そもそもセットする位置がずれていたりすることがあるので確認は大事です。

バイブレーターを適度に使って鉄筋と鉄筋の隙間に生コンを詰めていきます。バイブレーターは、かけすぎると骨材が沈み分離してしまうのでかけすぎないようにしましょう。

タンパーという網でベース天端をたたくと表面の骨材が沈んで鏝通りがなめらかになるので後でおさえやすくなります。

しかも表面を揺らすことで平らに近づきます。

網目はアルミトンボや鏝で均していきましょう。

枠の通りを確認

糸を張って枠の通りを確認します。生コンの重さで押されてるところがあればすぐに押し返しましょう。

杭を直接枠に当てて押し返すと楽ですよ。

水抜き

おさえ

プロ目線解説!住宅の基礎の作り方。ポンプ車手配。

コンクリートの打設は必要に応じてポンプ車(生コンクリート圧送車)を使おう。

とは言っても1台1,500~1,700万円もするポンプ車を所有し、打設の為だけに出動させ操作するのは難しい話だ。

しかし生コンの流し込みを専門とする「ポンプ屋」という基礎屋にとっては頼もしい専門職が存在する。

住宅の基礎では主にベースと、立ち上がりの2回を外注するのが基本だ。

☆ベースは打設量が多い為シュートやネコ(一輪車)での打設が困難。

☆立ち上がりは打設巾が狭く、シュートやネコでの打設は難しい。

¥ 相場 ¥

捨てコンや土間コン、雑コン等好きな時に頼んで構わないが、もちろん有料である。

地域により異なるが、1打設半日以内で、20㎥以内なら25,000円から35,000円くらいだろう。

半日を超える場合は1日分の常用として50,000円から60,000円が相場だ。

「午後もここで仕事するなら他の仕事を受けられないからその分もちょうだいね。」

といった具合だろう。

なのでその仕事が半日で終わるのかそれとも常用になるのかの見極めが必要だ。

配管

その他、ポンプ車を停めて生コンを受け入れる場所から打設箇所までが遠く、届かない場合はホースや管をつなぎ合わせて生コンを送る「配管」という方法がある。

この可能性があったり、間違いなく配管の場合は事前にポンプ屋に知らせて現調(現場事前調査)してもらう事をお勧めする。

配管の数によっては1人ではできない場合があるので伝え忘れはトラブルの元だ。

値段は1本あたり1,000円から2,000円または¥500/mくらい。

本数が多い場合は2マンと言って手伝いを1人要求される場合もある。この場合は1人工分、15,000円程度必要だ。

自分で手伝い人工が用意できる場合はその方が出費は抑えられる。

先行材セメント

生コンを送り出す際に必要なセメントもポンプ屋の用意だと¥1,000/袋。配管時は2袋必要だ。自分で用意した方が安いぞ。