プロ目線解説!住宅の基礎の作り方。生コンの手配の仕方。

耐圧盤(ベース)や、立ち上がりを打設するのに必要な生コンを手配します。

ここでは手配するときの注文方法や

生コンの予備知識について解説しましょう。

生コンを準備する

生コンは建材屋か建材商社からJIS規格の物を買います。

現場近くの生コンプラントを幾つかピックアップしてくれます。

プラントによって値段が違う場合があるので、

現場までの片道の時間や値段を考慮して決めましょう。

手配は電話でok.その時こう聞かれるはずです。

「配合は?」

生コンを注文する際に「呼び強度」と「スランプ」を指定します。

これが「配合」です。

設計基準強度と呼び強度

図面上の設計基準強度から呼び強度を決めます。

住宅のベースと立ち上がりに用いる生コンには設計基準強度が設定されています。

捨てコンや玄関土間等の雑コンには設計基準強度は指定されていません。

設計基準強度とは「構造設計時に考慮するコンクリートの圧縮強度」です。

最低でもこの位硬いコンクリートにしたいよ。っていう数値です。

図面では記号で「Fc」と表記されてます。

圧縮強度とは、そのコンクリートがどれだけの力(重さ)に耐えられるかを示したものです。

例:18N/㎟ならば1㎝2当たり約180㎏は耐えられます。ということ。

この18N/㎟が呼び強度です。

建築材料のほとんどには「基準強度」という考え方があるようです。

鋼や木、鉄筋にも基準強度が定められいて、「F値」と呼ばれるそうです。

生コンの場合、固まった後の「圧縮強度」をF値とします。「Compression(圧縮)」の頭文字「c」をつけて「Fc」と表記。

一般住宅の設計基準強度はFC=18N/㎟以上とされている所が多いです。

「じゃあ呼び強度は18Nで頼めばいいね。」と言いたいところですが、

実際の現場というのは外ですから、硬化期間は気温等によって左右されやすいですよね?

寒い時期は硬化に時間がかかるので圧縮強度を測定する28日後の強度が供試体と差が出てしまいます。

どういう事かというと、

強度の基準は屋内で28日間保管された物を測定したの物で決められています。屋内では気温や湿度が一定ですね。

実際の現場というのは外です。寒い時期は固まるのに時間がかかるから、28日後でもその強度に達していない、という事です。

このため「補正値」を足してより硬くなるコンクリートを使用して28日後には設計基準強度に達していようぜ!

強度試験に合格しようぜ!ということです。

試験に合格していない、強度の出ない生コンで施工してしまってはどんなにキレイな基礎を作ってもそれは図面と違う物になってしまいます。

なので

強度を測る上での誤差の補正値(安全を見て、ということ。)+3N

温度補正+3N (冬季は生コンが固まるのに時間がかかるため+3N~9N)

図面上設計基準強度が「FC=18N/㎟以上」とせれている場合、

補正値を足して

春~秋 24N/㎟  冬季 27~30N/㎟(冬季は地域や平均気温によって補正値が変わるので監督に確認した方がいいです。)

としましょう。

スランプ

コンクリートのスランプとは、まだ固まらないコンクリートの軟らかさや硬さの程度を表す値です。

つまり出荷時の状態ということになります。

高さ30cmの円錐台のコーンにコンクリートを詰め、

コーンを静かに垂直に引き抜くとコンクリートは軟らかさの程度に応じて自分の重さでその頂点が下がります。

この頂点の下がり幅がスランプです。(単位はcmで表す)

数値が高いほど柔らかく、低いほど硬いということになります。

住宅建築では15㎝~18㎝が一般的。

作業する側からすれば、柔らかい方が施工しやすいです。

だからといって勝手に加水して柔らかくしてしまうと配合が変わってしまうので強度に影響するのでやめましょう。

どうしても柔らかくしたい場合は、流動化剤を使用しましょう。

配合

呼び強度とスランプ以外にも細かく指定しなくてはいけない項目があります。

コンクリートの種類

高強度コンクリート、高流動コンクリート、水中コンクリート、

舗装コンクリート等など色々ありますが

住宅基礎は 普通コンクリート を選択。

粗骨材の最大寸法

これは骨材寸法の最大値を示しているのではありません。

フルイ分け試験において、骨材の質量(重さ)の少なくとも90%以上が通るフルイの呼び寸法とされているそうです。

ダムなどの土木工事は40㎜

一般住宅等の建築は 20㎜ を選択。

セメントの種類

普通ポルトランドセメント = N

早強ポルトランドセメント = H

早強は冬季の養生期間の短縮が必要になる場合に使います。

工期が間に合わない場合の必殺技!冬季は5日必要なところを3日にできます。

普段は N です。

配合まとめ

スランプは18か15なので4月から11月までで設計基準18Nスランプ18なら

普通 24-18-20 N

と頼みましょう。